
こんにちは!
自称、有機ソムリエこと熟長の〝オガラ・ニャック〟と申します。ニャックと呼んでください。
(ネコ科ニック球属 岩手県花巻市出身 年齢不詳)
岩手コンポストの有機質肥料をお使いの方にも使おうと思われている方にも肥料について何でも分かりやすくお伝えします。
さあ、一緒にオーガニック熟ライフを楽しみましょう。……
オッと!忘れてました。熟生の可愛い3人組を紹介します。
〝コンポスターズ〟です。
普通肥料 生第80639号 コスモグリーン こと〝コモリン〟です。(中)
普通肥料 生第81266号 スーパーゆうき こと〝ユキ〟です。(右)
副産石灰肥料 岩手県第268号 カキ殻くん こと〝ガッキー〟です。(左)
私たち〝コンポスターズ〟です。
一緒にオーガニック熟ライフを始めましょう。


初めて有機肥料を施用する田畑で当社のコスモグリーンを使う場合の施肥量は、10a当り600kgが目安です。
有機肥料は土の中の微生物のエサになることから、これを継続して使うことにより作物が育ちやすい土になることが期待されます。
また、一部の有機物は土の団粒形成に役立ち、通気性や保水性の良いふかふかの土に生まれ変わり、その効果は早ければ2年目から実感できます。
3年後、5年後、10年後を見据えて途中で諦めずに継続してお使いください。
〝継続は力なり〟です。
当社の有機肥料は、し尿汚泥、下水道汚泥、動植物性残渣の有機物にコーヒー粕等を混合し、コンポスト化。EMで高温完熟発酵させた衛生的で良質な肥料です。
有機肥料は、効きは遅いが長く効くという特徴があり、元肥として使うには好都合の条件が整っています。しかもEM入りなので、これを土壌に施用すると土壌に生息する微生物とEMの働きで、有機態窒素が分解されアンモニアへ、アンモニアが分解され亜硝酸へ、亜硝酸が分解され硝酸へと変わり作物はその硝酸を水と一緒に吸い上げ栄養にします。
この様に分解される工程が長いので作物への効きはゆっくりと長く、しかも障害は起きにくいというわけです。
世の中に有機肥料は様々あって、どれを選んで良いか迷う方も多いでしょう。
そのような方は、肥料の保証票の成分含有量に書かれている炭素窒素比(C/N比)を調べることで見当がつきます。有機物中に窒素(N)の何倍の炭素(C)が含まれているかを表す数値で炭素率とも言います。
平均的なC/N比は12前後とされ、低ければ(10以下)肥料としての効果(肥効)は高いが土壌改良効果は低く、高ければ(20以上)肥効はないが土壌改良効果は高いのです。
ちなみに、コスモグリーンは7で、鶏糞堆肥並みですので化学肥料に頼る必要はありません。

1.腐植の増加
有機肥料が、土壌中の微生物や小動物のエサとして分解されずに残った有機物のカスが蓄積されることで以下のような効果が期待されます。
2.微生物活動の助長
有機肥料を施すと微生物が増えます。
3.土壌養分の多様化
有機肥料には、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウム、ケイ素、ホウ素、モリブデンなど多種類の成分が含まれます。微生物による分解の過程でこれらは養分として土壌中に供給されます。
4.遅効性の養分供給
有機肥料の養分は、作物の生育期間中ゆっくりと少しずつ供給されるので、作物に障害が起きにくい。即効性のある化学肥料とは異なります。
5.土壌の団粒化
有機肥料が微生物によって分解される際に出す分泌物によって土壌が団粒化されます。結果、保水性や排水性が良くなり、ふかふかの土になります。
団粒とは、土壌粒子が集まり直径1~5mm程度の構造で内部に孔隙と呼ばれる小さな隙間があって水を保水します。一方、団粒と団粒の間には大きな孔隙があって排水性を良くします。
6.土壌の高保肥力
有機肥料は、土壌の保肥力を示す陽イオン交換容量(CEC)が高く、作物の養分であるカリウム・苦土・石灰などの陽イオンを吸着保持する効果があります。
7.成長促進効果
有機肥料には、腐植酸が含まれており、作物の生育を刺激するホルモン的な作用があるといわれています。
8.有害物質の吸着
有機物があるとキレート呼ばれる作用で銅やカドミウムなどの重金属を吸着し、作物がそれらを吸収するのを防ぎます。
9.ストレスの緩和
有機物の総合的効果として土壌には自然界のストレスをやわらげる緩衝作用があります。緩衝作用には、イオン吸着による土壌酸性化の抑制、ある程度の水分量の維持、微生物の生態系バランス保持があり作物の生育を守っています。
10.センチュウ害軽減
EMと有機物によって有害センチュウの繁殖抑制に効果が期待されます。


おさらいとして、なぞかけで締めたいと思います。
有機肥料の微生物とかけまして、
理科の化学反応とときます。
その心は、

コモリンには、〝銅のニック球バッジ〟をあげよう。



コスモグリーンの肥料袋にあるピンホールを。
袋の下両端の表と裏の4か所についています。とても小さいので言われなければ気が付きません。

どうしてあるかって?
それはEMが呼吸しているからです。
EMの働きで有機物を完熟発酵した堆肥は、EMの活動がひと段落した状態で袋詰めします。しかしながらEMは生きているので袋の中でゆっくり酸素が消費されます。その際に有機物の分解で天然発酵ガスが排出され徐々に溜まるので、このガス抜きのためにピンホールをつけています。
今回の本題である良質の有機肥料の見分け方では、なんと!EMの呼吸が、腐熟と言われる地力の維持・向上に大いに関わり、この腐熟が堆肥の発酵と熟成の良し悪しを見分けるバロメーターになっているのです。
未熟堆肥の腐熟は、EMによる有機物の分解で熟成が進み、完熟堆肥へと変わります。これは好気性アルカリ発酵と言われるものです。堆肥中に空気を送ることで、EMは酸素を取り込み天然発酵ガスを出す呼吸を行います。この過程で熱を放出し堆肥の温度がどんどん上昇し始め、水分が蒸発し、食中毒を起こす病原菌、寄生虫(卵)、雑草種子などが死滅し、堆肥の腐熟が進んで行きます(吸送気微生物発酵方式)。分解で有機物が次第に少なくなると、EMの活動が収まり、温度が低下し、水分の抜けたサラサラの完熟堆肥に成るのです。

この完熟堆肥が、本当に良質な有機肥料になったかどうかの見分け方ですが、有機肥料の製造過程では、堆肥の腐熟度合いとして酸素消費量、温度変化、水分量で判断するのが一般的です。
みなさんはこれらで判断するのは難しいので、有機肥料を使う際には色、臭い、乾き具合で判断することになります。但し、人によっては判断が分かれることがあるので、基準となるサンプルを用意したり、複数人で判断するのが良いでしょう。
項目 | 判断基準 |
---|---|
色 | 黄褐色よりは黒褐色の方が良い。 |
臭い | 生臭さや異臭がしない。 |
乾き具合 | 手で握り締めた時、乾いた状態で固まりにならない。 払い落すと手のひらに殆どくっつかない。 |
これ以外に、ミミズの生息状況や種子の発芽率で判断する方法もありますが、必ずしも上手く行くとは限りません。
参考事例として、私がよくやる実験方法を紹介します。
今回は、当社のコスモグリーンとの比較として、一般に市販されている鶏社「醗酵けいふん堆肥」、豚社「粒状とんぷん堆肥」、牛社「醗酵牛ふん堆肥」を用いました。

先ず、よく洗った透明なガラス瓶に各社の肥料を適量詰めます。次に、ニャック秘伝の溶液をタップリ注ぎ、しっかりフタをします。そして、日当たりの良い南向きの窓際に置いて、溶液の色の変化を観察します。
するとどうでしょう。コスモグリーン以外は、実験開始直後から溶液が着色して透明感が無くなり、日を追うごとに黒く着色してしまいました。ガスも発生し腐敗が進んでいることがうかがえます。また、臭いも刺激が強くなっています。


土づくりにこだわり取り組んでいる農家さんや団体組織なら未だしも、一般的にこの様な比較実験をするのは稀で、大半は肥料のチラシや肥料袋の表記、店頭・店員のおススメや評判を聞きつけて購入し、効果については実際に使ってみないと分からないというのがほとんどではないでしょうか。
肥料を製造する立場としては、製造段階から品質にこだわり、圃場にも環境にも農作物にも安心してお客様に使い続けてもらえるよう、しっかり熟成した良質の有機肥料を提供する責務があります。


おさらいとして、なぞかけで締めたいと思います。
堆肥の腐熟とかけまして、
とってもあまーい果物とときます。
その心は、

ユキちゃんには、〝銀のニック球バッジ〟をあげよう。



すっかり普及したこの言葉。知らない人はいないよね。
Sustainable Development Goalsの略称で「持続可能な開発目標」と言うんだ。
知ってた?熟生のガッキー♪

「持続可能な開発目標」でSDGsかあ~(・_・D フムフム
てっきり、ニャック熟長のような
「 すてきで ダンディーな ジェントル さん」の略語かと思っていました。

SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された国際目標です。
貧困・飢餓の撲滅などを目指し、2030年までの人間、地球及び繁栄のための行動計画として先進国と途上国が共に取り組む普遍的な平和を追求する17の目標なんだ。
地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っているんだよ。
2017年当時、外務大臣を務めていた岸田文雄氏がSDGsを広くPRしようと世界中で大ヒットしたピコ太郎さんが歌う「PPAP ペンパイナッポーアッポーペン」の替え歌が作られたんだ。
外務省でお披露目され、岸田氏とピコ太郎さんが仲良くSDGsの「17」目標をあらわす決めポーズを取ったんだけど全く流行らず、盛り上がらず、認知度も低かったんだ。
それが今じゃ大いに盛り上がって、「持続可能な」という言葉が社会現象にもなっているよ。
そこで今回は、このSDGsに賛同し17の目標達成に向けた取り組みとして農業分野に携わる私達にできることをしっかり考え、2030年までに求められる行動を加速すべく
岩手発コンポスタブルな開発目標
iwate Compostable Development Goals
略してiCDGs(イク・ディー・ジーズ)を掲げたのです。
iCDGsもSDGsにならい17のシンボルと目標を設定しているので簡単に紹介しよう。

2.残留農薬をゼロに
3.きれいな空気・水・土壌で健やかに
4.必要とするスキルをみんなに
5.お互いを認め尊重しよう
6.限りある水を安全に大切に
7.EMの発酵パワーをエネルギーに
8.人間らしく働きがいのある環境へ
9.堆肥化技術革新の礎を後世に
10.食料の確保を公平に
11.住み良い暮らし良いつながり良い
12.つくる喜びつかう喜び
13.気候変動に飽くなき対策を
14.河川の豊かさを守ろう
15.里山の豊かさを守ろう
16.誰もが幸福で安心安全に
17.みんなで手を取り合って
次回からは、各目標について一つひとつ説明して行くのでお楽しみに。

おさらいとして、なぞかけで締めたいと思います。
サステナブルとかけまして、
骨太で筋肉質な力自慢とときます。
その心は、

ガッキーには、〝金のニック球バッジ〟をあげよう。



そもそもiCDGsの〝C〟に込められた思いとは何ですか?

前回、iCDGsを岩手発コンポスタブルな開発目標と紹介しました。
〝C〟は、コンポスタブル(compostable)の頭文字で堆肥化可能なと訳します。再生利用可能な食品廃棄物、動植物性残渣、汚泥などの有機性廃棄物をEM(有用微生物群)によって完熟で良質な堆肥にすることで、農作物が元気に育ち耕作者に喜んでもらう。
つまり私達の事業の強みを発揮することで、農業分野を盛り上げ支えて行こうという思いが込められているのです。
そこで今回は、シリーズiCDGs 17の目標紹介として「1.離農をなくそう」「2.残留農薬をゼロに」「3.きれいな空気・水・土壌で健やかに」を取り上げます。
最初に「1.離農をなくそう」です。これには3つのターゲットがあります。

若者でも安心して農業が持続できる地域社会のつながりを強固にし、必要な支援や費用の負担軽減を得られる補助金等の情報提供で営農基盤づくりに貢献することです。
次に「2.残留農薬をゼロに」です。これには4つのターゲットがあります。

農薬、化成肥料に頼り過ぎる今の農業を根本から見つめ直す。
その課題解決に有機質肥料の施用があります。安心安全な農産物の生産には土づくりが欠かせません。持続的な有機質肥料の使い方をレクチャーしながら、安定した収益が得られるよう取り組んでまいります。
次に「3.きれいな空気・水・土壌で健やかに」です。これには4つのターゲットがあります。

農耕地へ窒素肥料等の過剰施肥が原因とされる窒素由来の温室効果ガスの発生や地下水・河川水に溶け込み汚染します。温室効果ガスは化石燃料を使う農業機械からも排出され、気候変動を引き起こし農業生産や私たちの生活に影響を与えます。温室効果ガスの発生を下げることに心掛けた活動が大切です。
一方、農作業は土に触れ作物を育て収穫を味わえることもあり、農業体験や食育活動が盛んに行われています。自然の中に身を置いて汗をかいて働くことで、程良い疲れに心が癒され心身ともにリフレッシュできる、正にメンタルヘルス効果抜群です。農業にとっては当たり前のことが心の健康に活かされるとあって、大いに注目されています。


おさらいとして、なぞかけで締めたいと思います。
コンポスタブルとかけまして、
安全地帯とときます。
その心は、

お~いドングリまなこの山猫くん、座布団10枚!?…イヤッちがった
コモリンには、〝金のニック球バッジ〟をあげよう。





日本農業新聞によると「農畜産物トレンド調査」で、「持続可能性」が農畜産物の販売キーワードで1位になったとのこと。(2022年1月20日付紙面より)
ひと昔前までは「イノベーション」というワードがトレンドの上位を占めていたけれど、平成の終わりとともに終息、令和に入って「持続可能性」が一気に急上昇しあらゆる業界で使われているよ。今じゃ言葉だけが先行して、絵に描いた餅にならなきゃいいなと思っているよ。
とにかく、国連のSDGsが浸透していることは間違いない。
また、エシカル消費の意識の高まりも背景に食品の消費志向が、地産地消や国産に傾いているというから大いに喜ばしいことだね。
ユネスコ無形文化遺産に登録されている和食は、まさに持続可能な食のエリートともいえるけど、現実は、食料自給率が37%(カロリーベース)で低迷しておりその根底が揺らいでいるよ。
さて今回は、シリーズiCDGs 17の目標紹介として「4.必要とするスキルをみんなに」「5.お互いを認め尊重しよう」「6.限りある水を安全に大切に」を取り上げます。
先ず、「4.必要とするスキルをみんなに」です。これには6つのターゲットがあります。

岩手県の人口は、2020年の国勢調査で120万人で5年前の調査より5%減少しました。このままでは2030年は、110万人を下回るのではないでしょうか。益々働き手が減少し、農業の高齢化に拍車がかかりそうな気配です。早急に農業を若返らせ、若い年齢層を虜にする農業へと大胆な変革が求められます。
TVドラマ化された「下町ロケット」で農業参入が演じられた際、「日本の農業の未来を救いたい」という熱い信念を持って望む若いリーダーの存在が不可欠だったように。
若い働き手ひとりひとりが、必要とするスキルを習得しキャリアを積み重ねられるよう支援する仕組みが必要です。そして経営にも研さんを積み若手リーダーを育成する。それにはベテラン農業者の存在が欠かせません。
私達には、事業を通じて培ったパートナーの中に有機農業に関する専門知識や高度なスキルを持った方々がおられます。ひとつの手段として、その方々を若手就農者へ紹介し、様々な交流を通じて有用な知識やスキルを習得することでキャリア形成を図ることができると考えます。
その結果、農業を働きがいのある仕事として意識改革と自信とプライドが生まれ、農業の地位向上にもつながるのではないでしょうか。
次に、「5.お互いを認め尊重しよう」です。これには6つのターゲットがあります。

全ての産業で最も重要な要素は〝人〟です。基本的人権の尊重が確保されていることはもちろんのこと、やりがいを持って気持ちよく働ける環境を提供しなければなりません。その為には、法に則り適切な労働力を調達し、働き方を提示して働いてもらい、法人経営体であれば賃金を支払います。また、円滑なコミュニケーションをとり、人の多様性を理解し、3番目の目標でも触れたメンタルヘルスへ配慮して差別や偏見をなくします。
国連食糧農業機関(FAO)は、「国連家族農業の10年」の戦略で「家族農業こそ持続可能な食料生産の担い手」といっています。日本の農業経営体の98%は家族農業であり、この小さな集合体が集落営農を成し日本の農業を支えているのです。これら担い手の人権をしっかり守ることが、国連加盟国に課せられた責務なのです。
次に、「6.限りある水を安全に大切に」です。これには5つのターゲットがあります。

圃場には、水源や土壌を汚染する可能性のある生堆肥や未完熟堆肥を入れないようにします。生堆肥は異臭も発生し、近隣住民へ迷惑をかけることになります。
私達の堆肥は、病原微生物の増殖や残存を防ぐためにEMを用い適切な発酵温度を一定期間保ち製造しています。適切な発酵は病原微生物だけでなく雑草の種子の殺滅にも効果があります。詳しくは 「第2回 良質の有機肥料を見分けるには」をご覧ください。この様な良質な堆肥を使うことが大事です。
水を汚染する可能性があるものに、農薬、肥料そして除草剤も考えられます。
病害虫が発生した場合、農薬を使って駆除するのが一般的です。しかし、農薬の多用は病害虫の耐性・抵抗性が高まり駆除や防除の効果が薄れたり、散布者への健康被害が懸念されるほか、土壌に浸透する残留農薬のリスクや水系への流亡が危ぶまれます。農薬使用計画を立て、用法用量を守って農薬使用基準に違反しない管理が求められます。
その一方で農薬だけに頼るのではなく、IPM(総合的病害虫・雑草管理)と言われる病害虫・雑草の発生を抑える下記技術を実践することです。
①病害虫・雑草の発生しにくい環境整備
②病害虫・雑草の発生状況の観察
③適期に効果的な他の防除手段との組み合わせによる実施
他の防除手段とは「耕種的防除」「生物的防除」「物理的防除」のことで、人に対する健康リスクと環境への負荷を軽減するとともに、生態系が有する本来の病害虫・雑草への抑制機能を引き出すことです。
耕種的防除とは、栽培管理面からの作業を通じて病害虫・雑草の発生を抑える技術です。
物理的防除とは、熱、光、水、障壁となるカバーや囲い等を使って病害虫・雑草の発生を抑えたり、害虫の侵入を防ぐ技術です。
生物的防除とは、害虫を食べる天敵(益虫)の利用、病原菌と競合する微生物の利用等、生物や生態系の機能を利用する技術です。
これらについては「有機農産物の日本農林規格」(有機JAS規格)の第4条「ほ場又は栽培場における有害動植物の防除」の項に記されています。
肥料については、水系への流亡や土づくり等といった環境保全の観点を考慮する必要があります。
肥料は「肥料の品質の確保等に関する法律」(肥料法)でいう普通肥料(化成肥料、配合肥料等)と特殊肥料(米ぬか、堆肥等)に加え、圃場に投入する農薬以外の資材(土壌改良材や木酢液、敷草・敷藁等)があります。使用する肥料の成分と土壌診断による栄養成分を把握した上で、岩手県施肥基準による施肥量との比較で足りない成分を補えるような肥料・施肥量を検討し、施肥設計を立てます。
化成肥料のように即効性のある肥料を一度に大量に使用すると環境汚染の可能性があります。遅効性のある有機質肥料を使用したり、追肥など施肥時期をずらしたり、局所施肥など散布方法の工夫などを行います。
水質の確保には農業用水源、貯水場所、水路の保全・整備も欠かせません。
水源が井戸の場合、蓋をして施錠することで故意に汚染物質を混入されることや小動物が侵入することを防止します。
水路やバルブ類が動物ふん等の汚物や家畜ふん堆肥で汚れていないか定期的に点検します。大雨や洪水のあとにも汚れていないか確認し、汚れている場合は清掃するとともに汚染物が流入しない対策を行います。
水質の確保には水性生態系の保護・回復にもつながります。耕作放棄地を田んぼに甦らせることで水性生態系の保全に貢献します。田んぼの生き物調査、ビオトープの設置、外来生物の駆除などで地域の希少な在来生物を保護しましょう。
水質の改善にはEMの施用があります。EMは言わずと知れた善玉菌の集まりで、農地や水環境の改善に力を発揮する光合成細菌、乳酸菌、酵母などが共生し相乗効果を生み出している資材です。有機JAS適合資材として一般社団法人有機JAS資材評価協議会に登録されています。EMを田んぼに投入することによって、水が澄み、水田土壌からの温室効果ガスであるメタン(CH4)の発生を抑制し、自然豊かな水性生態系の維持に効果が期待できます。


おさらいとして、なぞかけで締めたいと思います。
スキル・人・水質とかけまして、
下町ロケットの佃プライドとときます。
その心は、

もしかして、ユキちゃんもドラマを見ていたのかな。




ユキちゃんには特別にニャック特注の〝ニック球扇子〟をあげよう。


お上手!!(でもセンスはイマイチ…)


猫の目政策でまた何かはじまったの?

あのピコ太郎さんが農水省に現れたんだ。

確かSDGsのPRソングをお披露目したんだよね。
ニャック熟長が 「第3回 コンポスタブルな開発目標」の中で言ってました。

農泊体験の応援歌「NOU HAKU~田舎に泊まりたい!~」のお披露目なんだって!
新型コロナウイルス収束後を見据えて、歌とダンスで農泊の魅力をPR。
農泊の頭文字から取ったN・H・Kをしなやかなダンスで表現し、周囲を和ませているよ。
金子原二郎農水相もご満悦な様子でした。
さて今回は、シリーズiCDGs 17の目標紹介として「7.EMの発酵パワーをエネルギーに」「8.人間らしく働きがいのある環境へ」「9.堆肥化技術革新の礎を後世に」を取り上げます。
先ず、「7.EMの発酵パワーをエネルギーに」です。これには4つのターゲットがあります。

私達の肥料製造は、EMによる有機物の分解に伴う発酵熱がエネルギー源となっています。このことは「第2回 良質の有機肥料を見分けるには」でも詳しく触れました。
EMにしっかり働いてもらうには、有機物の発酵に適した温度管理、水分調整、通気管理が欠かせません。堆肥化処理の温度管理には一般的に60℃以上が2日間以上持続することが必要です。生堆肥に含まれる病原菌や雑草の種子を死滅させるのに有効だからです。
生堆肥の水分は高すぎても低すぎてもいけません。水分が80%超えるようであればEMに酸素が行き渡らず発酵が進みません。水分が30%以下ではEMの活動が停止してしまいます。両者を上手く組み合わせて水分調整することで発酵が進みます。通常65%程度が適正水分と言われています。
そして酸素の不足も発酵の妨げになります。堆肥を堆積したままでは中に空気が入らないことから切り返しという攪拌作業やブロワーによる強制通気で堆肥全体に空気が行き渡るようにします。
このブロワーを駆動するには電気が欠かせません。肥料製造に掛かる電気代の大半がブロワーに依るものです。送風量を調整して無駄な消費電力を抑え節電を図ることが大切です。また、ブロワーの通気管の目詰まりやひび割れ等がないか定期点検とメンテナンスで安定稼働に努めます。
次に、「8.人間らしく働きがいのある環境へ」です。これには5つのターゲットがあります。

ディーセント・ワークという言葉を知っているかな。
「働きがいのある人間らしい仕事」※と訳され、国際労働機関(ILO)の活動目標に位置づけられています。
※「働きがいのある人間らしい仕事」とは、まず仕事があることが基本ですが、その仕事は、権利、社会保障、社会対話が確保されていて、自由と平等が保障され、働く人々の生活が安定する、すなわち、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のことです。
~「国際労働機関」ILO駐日事務局のホームページより引用~
労働基準法第36条、いわゆる三六協定では1日8時間労働、1週40時間労働、1週間に1日の休日が原則となっています。農業の場合は農閑期・農繁期があり毎月一定の仕事量というわけにはいきません。そのためこの労働時間の規定(時間外労働・休日労働)は農業では適用除外になっています。農業は、朝早くから夕方遅くまで休日もなく働きづめというイメージを持つのも分かるような気がするね。但し、ILOが掲げるディーセント・ワークの推進からすると甚だ疑問符?だよね。
「働き方改革」と言われて久しいけれど、今こそ農業の働き方の多様性が求められています。その最たるものが、農業と他の仕事を組み合わせた働き方である「半農半X」の普及です。
「それって兼業農家じゃないの?」と思うかもしれないけど、それまで農業に縁もゆかりもなかった人が始める傾向にあることから言われるようになったんだ。新型コロナウイルスの影響で都市部でリモートワークが普及したのをきっかけに、地方に住を移す「田園回帰」志向が高まったのも一因と言われています。
半農半Xの実践希望者には、本格営農は目指さないまでも多様な農への関わる道筋をつくることが大事だと考えます。私達の企業では、有機農業実践体験を通じて技術を習得し半農半Xフロンティアの育成の一助になるのではないかと考えます。
このようなかたちで農業や農村に関わりを持つ人々のことを「農的関係人口」と言います。「関係人口」とは特定の地域を継続的に訪れる人々のことで、農との交流構築により地場産業の活性化につなげられると考えます。冒頭で取り上げた農泊体験もそのひとつと言えるでしょう。
働き方の多様性は、働く者の多様性にも大きく関わってきます。人種、国籍、性別などを理由として働き方に差別や格差をつけてはなりません。どのように仕事を割り当て、その仕事を担う理由は何か、しっかり意思疎通を図ることが大切です。
折しも、新型コロナウイルスの感染拡大により社会のもろさが表面化している中、農家は頑張って食料を供給し国民の暮らしを支えているのです。コロナ禍がもたらした農畜産物の需要減は所得格差を生み出し、生産基盤の縮小で国民の命をつなぐ食の安全保障を脅かしかねません。今こそ農畜産物の応援消費を活発化することです。
そんな命をつなぐ食の安全保障に貢献している農業ですが、実は自らの命を脅かしかねない非常事態が発令されているのです。農水省の2019年農作業死亡事故の調査で、農業就農者10万人当たりの死亡者数は16.7人で過去最多対で、全産業の10倍以上、建築業の3倍でその差は年々広がる一方なのです。単独作業、単独行動の多い農業現場ではそこまで危機感が共有されていないというのが現状です。危害要因として、トラクターなどの乗用型機械の傾斜地や段差での使用、草刈り作業、収穫時のコンバイン使用、脚立の使用、最近では熱中症もあります。
危険が伴わない農業を実践するには作業者の労働安全の確保が必要です。事故事例や自分の農場で起きたヒヤリハットを題材に、危険な作業、危険な場所をリストアップします。そこで起こりやすい農作業事故を把握し、どこが危険、危険な作業は何か評価します。そして事故を防ぐやり方・ルールを考え、作業者に周知徹底させるのです。一人の農家の死は、地域農業の衰退につながりかねません。安全対策に近道はないのです。
次に、「「9.堆肥化技術革新の礎を後世に」です。これには3つのターゲットがあります。

一方、農業は温室効果ガスであるメタンや二酸化炭素の発生が多く、特にメタンは排出量の約4割が水田由来と言われています。政府は、2030年度目標としてメタン排出量削減を2013年度比(約3000万t)で約330万tとし、そのうち水田からは104万t削減を掲げました。更に2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを表明しました。
私達は地球温暖化対策を見据え、堆肥と天然資材そしてEMを活用した有機質肥料による土づくりで温室効果ガスの削減の取り組みに挑みます。具体的なことはまだ言えませんが、土壌の透水性、保水性。通気性、保肥力を改善して、化成肥料に頼らずとも地力が落ちることなく農作物が健全に育ち続けられ、尚且つ温室効果ガスの貯留や排出抑制にもなり得る土づくりを推進できればと考えています。
環境保全意識が高い欧州では、環境保全型農業の実践に早くから取り組み、ルールを定め遵守義務を課しました。これがEUREP GAP(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理)と言われるもので、現在はGLOBAL G.A.P.と名称を変え2000年以降に全世界へ拡散しました。一方、農水省はGAPの実践を要件に「環境保全型農業直接支払交付金」を設け、堆肥や緑肥の施用などの実践農家を支援していますが、予算の制約もあり国内農地の1%程度の普及で伸び悩んでいるのが現状です。そこで農水省は、新たな環境保全型農業の推進として「みどりの食料システム戦略」を2021年に策定しました。2050年までに目指す姿と取組方向が示され普及拡大を図ります。
ある民間企業では、環境保全型農業の導入により増加した農地への炭素貯留量を排出権として買い取り、企業などへ販売することで農家がその利益を得られるというユニークな仕組みを構築しています。全く新しい発想で大変興味深く、猫の目からウロコがボロボロ落ちてとても感動しました。是非、参考にしたい。
今回は、ここまでにしよう。
いっぱい話したので口の中がカラカラだ。
グルーミングのベロを潤さないと。

おさらいとして、なぞかけで締めたいと思います。
関係人口とかけまして、
陸上競技のリレーワークとときます。
その心は、

東京五輪2020の男子400mリレー決勝ではバトンパスのミスでまさかの途中棄権だったけど全員で「攻めた結果なので誰も責められない」と仲間をかばうその姿勢に感無量だね。
次こそ金メダルを取ってほしいと願いを込めて、
ガッキーには、〝銀のニック球バッジ〟をあげよう。



何なら前回、ユキちゃんにあげた〝ニック球扇子〟にする?

