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2017年09月14日

食品リサイクル肥料利用推進に向けた意見交換会を開催しました。

 

食品リサイクル肥料利用推進に向けた再生利用事業計画(食品リサイクルループ)の説明会を東北農政局、農林水産省、花巻市生活環境課より担当者をお招きし、地元農業者、食品スーパー、金融業、当社取引企業よりご出席頂き意見交換会を花巻市交流会館にて開催しました。
最初に東北農政局より食品リサイクル肥料利用推進の為の食品リサイクル法について触れ、食品リサイクル肥料利用の現状と課題、また食品廃棄物の不正転売事件を受けその対策強化のガイドラインについて説明頂きました。
次に農林水産省より食品リサイクルの現状を踏まえて、食品残さを排出する食品関連事業者とそれを資源として再生処理する事業者そしてそこから製造される肥料等を利用する農業者、この3者が連携して取り組む食品リサイクルループについて説明頂きました。
この2本立ての説明を受け当社が、これから経営の柱のひとつとする食品リサイクル肥料化事業に向け、貴重なご意見ご要望を頂き大変有意義な会を行うことができました。
当日、説明会に使用された資料を掲載し、それについて解説しましたので情報共有等にご活用頂ければと思います。

◆食品リサイクルをめぐる状況 ~東北農政局 経営・事業支援部 食品企業課


食品リサイクル法の概要

これは食品リサイクルの促進のための法律になります。

その中身は、次の3つの構成からなります。

・主務大臣による基本方針の策定。これは5年に1回行われ基本方針と何をやって行くのか方向性を示します。

・具体的な再生利用等の促進を行う手法を示します。
・指導、勧告等の措置が設けられています。


基本方針のポイント
5年に1回策定される基本方針についてポイントを書いています。
1番目として食品循環資源、いわゆる食品残さ等再生利用の促進の基本的方向です。
先ずは食品廃棄物の発生を抑えることを最優先にします。その後、実際に再生利用を行うに当たっては飼料化、肥料化の順番で定められています。
2番目は食品関連の4つの業種ごとの再生利用をどの位行うか平成31年度までの目標を定めています。

食品リサイクルの優先順位
こちらは食品リサイクルの優先順位を図解したものです。

左側の円が食品リサイクルの現状を示しています。

この中で優先されるべき飼料化、肥料化は、真ん中の幾分小さい円になっています。

逆に外側のグレイの大きな円は焼却等の処理がなされていることになります。

今後の方向性としては右側の円になります。全体の円が小さいのは食品廃棄物の発生を先ず抑えることによります。
その後で真ん中の飼料化と肥料化を優先順位の高い順に広げて行く。こういった方向性で食品リサイクルを進めて行くことになります。

食品産業における食品リサイクルの現状

平成27年度の食品廃棄物等の再生利用等実施率については、食品流通の川下いわゆる小売業、外食産業については分別が難しいことからなかなか実施率が上がりません。食品製造業は、目標95%に対してクリアできています。

用途別内訳を見ると飼料用が最も多く次に肥料用となっています。国の進めている優先順位通りになっていますが、一方で業種ごと見て行くと外食産業は目標値50%に対して実質は23%に留まっています。

食品産業における再生利用等実施率の推移

こちらは食品廃棄物を再生利用に仕向けた数字で、その推移を表したグラフです。

食品産業全体の再生利用等実施率は、近年横ばいで85%を推移しています。

卸売業と小売業は微増で、外食産業は横ばいで目標50%に対しては程遠い状況です。

ここまでが食品リサイクルの実態です。

登録再生利用事業者制度の概要

岩手コンポストは、この制度に登録しています。

食品廃棄物等の再生利用を行うリサイクル業者の育成を図るために、申請に基づき主務大臣が業者を登録するものです。

この制度には特例があり、廃棄物処理法の特例としては、荷卸しについては一般廃棄物の運搬業の許可が不要になります。

更に自治体で定めている一般廃棄物処分手数料の上限規制が撤廃になります。処理料金を自治体の定めよりも上げることが可能となります。
それから肥料取締法等の特例というのもあります。

登録再生利用事業者による再生利用事業種別内訳

こちらは平成294月末時点の全国の登録再生利用事業者の内訳になります。

事業者が複数の再生利用事業を実施しているケースがあるため、種別の件数の計と事業者数とは合いません。

食品リサイクル肥料の現状

食品リサイクル肥料は、従来からある家畜排泄物由来の堆肥等の肥料と競合することからなかなか農業者における利用が進んでいません。

下のグラフを見ると肥料化のリサイクル量というのが平成22年からほぼ横ばい状態にあり拡大していません。
その為、国としても農業者におけるリサイクル肥料の利用推進を図るために新規団体における連携した取組が必要です。

食品廃棄物の種類と再生利用の手法

どのような食品廃棄物がどのように再生利用すべきか、再生利用に向くのか、書いている資料になります。

食品製造業から出る廃棄物については、ものが均質で量が一定で分別が容易であることから飼料化に適しています。

一方、外食産業からの廃棄物は飼料化には不向きなものが多く、メタン化に有効です。

肥料化については、各業種にほぼ漏れなく掛かっており比較的様々な廃棄物に対応可能といえます。

メリットは、初期投資が少なく技術的なハードルが低いことから新規参入が容易です。
デメリットは、できたものを需要に結びつけるのに難しい側面があります。

再生利用の課題と展開方向

課題としては、生産面における品質管理については食品流通の川下(小売業、外食産業)における分別の更なる促進が必要です。

それに対して事業者の企業努力で分別マニュアルの普及や講習会の実施等、分別する側で工夫する必要があります。

一方、需給面つまり受け入れる食品残さについては地域性があります。

地方では通年よりも季節性のある原料(ジュース粕、規格外野菜等)が多く出ることから、年間を通じた安定生産・供給が大きな課題となっています。

そこでは未利用資源のマッチング、調達先の多様化等による年間を通じた事業の推進というのが大きな課題となってきます。

次に副産物利用というのは、できあがった肥料を利用するにあたっては農家にとっては食品リサイクル肥料が、自分の作る作物、場に合うのか、あるいは施肥の仕方がデータ化されているかなどが大事になってきます。その辺は地域において特に再生利用事業者や製品を作っている事業者を含めて技術講習会や給与実施調査等でデータを積み上げて行くことが必要と考えます。

それから食品リサイクル肥料を使って作った農産物を消費者にどのように理解して購入して頂けるかという課題もありますが、ブランド化や認証取得の推進でPRして行くのが非常に大事です。

排出事業者による転売防止対策の強化

登録再生利用事業者であったダイコーが食品廃棄物を処理をしないで食品として不正に転売していたという事件を受けて国としても不適正な転売防止の取り組み強化のためにガイドラインを作成し公表しています。

食品製造や小売業者などの排出事業者についても責任を重く感じてもらい、食品廃棄物を横流しできないような措置を自ら取って頂くということもガイドラインに記載してあります。

具体的には、転売リスクが高いときには、つまり包装や箱詰めされてそのまま食品として使えるものについては、包装と取る、破る、廃棄物表示する、破砕して他の廃棄物と混合する、搬入の立ち会い等を食品関連事業者が力を発揮して取り組まなければなりません。

国としては、食品廃棄物のリサイクルを推進しつつ、不適正な売買が行われないように取り組んで行く必要があります。

 

◆◆再生利用事業計画(食品リサイクルループ)の説明
農林水産省食料産業局バイオマス循環資源課食品産業環境対策室

 食品リサイクル法の正式名称は、食品循環資源再生利用等の促進に関する法律と言い、平成13年に施行されました。

食品廃棄物の発生を減らし、出てしまったものについてはきちんとリサイクルして資源として有効活用しましょうと言うのが本法律です。

食品廃棄物を年間100以上排出している事業者については、定期報告の義務づけを法律に定めています。毎年3500件の事業者が提出しています。

報告の中身は、どれくらい食品廃棄物を出しているのか、発生抑制の取り組み、再生利用としてリサイクルしている量はどれくらいか、どういうところにリサイクルをお願いしているか、という内容を書きます。

食品リサイクルの肥料化、飼料化への推進ということで、食品リサイクル法には2つの制度があります。

1つ目は再生利用リサイクル事業の育成として、登録再生利用事業者制度というのを設けています。岩手コンポストは、この制度に登録しています。

全国で170の事業場が登録しています。

2つ目は本資料の内容である再生利用事業計画認定制度です。
食品廃棄物を排出する事業者とリサイクル処理事業者とできた肥料・飼料を使う農業者の3者で共同して再生利用して、できた農産物・畜産物について食品廃棄物の排出事業者が店舗で販売する、外食事業者であれば食材に利用する、というような形で有効活用するということを3者で計画して事業で取り組んでやって行くのが食品リサイクル法に基づく再生利用事業計画認定制度というものです。

生利用事業計画(食品リサイクルループ)の認定制度

本制度は、食品関連事業者、肥料・飼料の製造業者、農林漁業者等で連携し、食品循環資源を再生利用した肥料・飼料を使って生産した農畜産物を販売・加工するという3者での循環ができるというような計画を立てて国が認定する制度です。

その認定先は、農林水産省・環境省・経済産業省になります。排出事業者の業種によって、例えば総合スーパーであれば経済産業省、食品関連事業者であれば所管する役所・行政機関が認定することになります。

認定を受けると、認定を受けた範囲で食品循環資源の収集運搬について廃棄物処理法に基づく市町村ごとの一般廃棄物の収集運搬業の許可が不要となる特例を利用することができます。

リサイクルループを取り組むときにネックになるのが、例えば再生利用事業場に持っていくときに広域の市町村から排出している事業者の回収をどうするか、その場合排出する市町村で許可を持っていない場合でも特例が使えるというものです。後で詳しく説明します。

食品リサイクルループ認定を受けるメリット

食品関連事業者の場合

・再生利用事業計画の内容は農林水産省ホームページで公表しており、再生利用事業計画の認定事業者としての取り組みCSR活動として認知されます。最近、環境対策に取り組んでいる企業が多く食品リサイクルループ認定を受けている企業がいくつかあります。愛知県に本社があるユニーもそのひとつです。他にセブンアンドアイ、イオンなど取り組みを広げて行くとのことです。

・食品廃棄物の収集運搬について、配送戻り便の活用や、市町村を跨いだ広域での収集など、廃棄物処理法の特例を利用することで収集運搬の合理化やコスト削減をすることができます。

・関係事業者の協働の取り組みとして食品循環資源の再生利用を実施することにより、リサイクル業者等との良好な信頼関係を構築できます。昨年、愛知県で食品廃棄物の不正転売事件がありましたが、再生利用事業者であるダイコーが肥料化せずに横流ししたという事案です。このような不正が起こった背景には、処分委託事業者が現場を全く視察しないことをいいことにダイコーは転売をしたというものです。この事件後、食品廃棄物の排出事業者にはガイドラインによる排出責任の全うとして処理委託事業者への年1回の視察や不正転売されないような対策をとるなどして再生利用事業者との信頼関係を構築する内容になっています。

・従業員のリサイクルや資源の分別に関する意識が向上することです。食品リサイクルの取り組みをする際には、ゴミを分別しなければなりません。特に異物が混入した場合、肥料化設備の故障を招く場合があり、分別意識の動機づけにもなります。

 

リサイクル業者の場合

製造した肥料・飼料の販売先を確保できることです。リサイクルループの認定を受けるということはできた肥料は使っていただけるという取り決めをなされていることが要件になります。

 

農林漁業者の場合

リサイクル肥料・飼料を利用して生産した農畜産物の販売先を確保できることです。認定を受けるには販売先を決めることが要件となっています。

再生利用事業計画(食品リサイクルループ)の認定基準

認定基準は省令で定められた内容に基づいて審査しています。

肥料・飼料の製造を行うリサイクル業者が、リサイクル事業を確実に実施できると認められること。しっかりとしたリサイクル業者でないと認定は認められません。

農林漁業者が、リサイクル事業により得られた肥料・飼料の製造量に見合う利用を確保する見込みが確実であること。計画内で作られた肥料・飼料については農林漁業者にきちんと使ってもらえることを担保してくださいということです。

食品関連事業者が、リサイクル事業により得られた肥料・飼料を利用して作られた農畜産物の生産量のうち、食品循環資源の排出量に見合う利用を確保する見込みが確実であること。食品廃棄物を排出した事業者は、出した量に見合うだけの農畜産物を使ってくださいということです。その量については、農産物を作るときにリサイクル堆肥由来の資材を入れている場合もあるので入れる量については要件に見合った量を使ってもらいたいという意味合いです。

食品循環資源の収集運搬を行うに当たって、財務的な基礎があるかどうか審査します。

認定再生利用事業計画の一例(肥料化事業)

 

食品スーパーから排出される食品残さをリサイクル業者で堆肥化し、それを使って生産した農産物を店舗で販売するという循環した取り組みです。

認定再生利用事業計画の一例(飼料化事業)

こちらは飼料化事業の例です。

小田急グループの店舗から発生する食品残さをリサイクル業者で液体飼料にして、養豚業者で使い、そこで生産した豚肉を販売するという循環した取り組みです。特徴としては、収集運搬には保冷車を使用し食品残さの鮮度を保っていることです。生産した豚肉については、小田急でブランド肉として販売しています。食品廃棄物を利用して生産した豚肉であることをPRしています。

認定再生利用事業計画の一例(廃棄物処理法の特例事例)

こちらはスターバックスコーヒージャパンによる廃棄物処理法の特例を利用した代表的な事例です。

コーヒー豆粕をリサイクル業者へ運搬する際にチルドの戻り便を使っています。チルド食品を搬入した戻り便に豆粕を乗せて持っていくことを廃棄物処理法の特例を使っています。わざわざ豆粕専用の収集運搬車を手配しなくて済みます。

豆粕飼料を乳牛に給餌して、その牛から絞った牛乳をスターバックスコーヒージャパンが購入するという循環した取り組みです。

食品リサイクルループの認定の申請について

農林水産大臣、環境大臣及び食品関連事業者の業を所管する主務大臣から認定を受けることになるので、各大臣宛の申請書を作成します。

申請書については農林水産省のホームページに掲載されています。
お問い合わせ窓口は記載の通りです。

<参考>食品関連事業者が利用すべき農畜水産物の量①

 

参考として、食品関連事業者が利用すべき農畜産物の量(最低引取量)を算出する計算式を掲載しています。

<参考>食品関連事業者が利用すべき農畜産物の量②

 

計算式を分かり易く図解しています。